美術館めぐりの帰りに、スイーツが人気のカフェに行ってきました。川名駅前の、haru.さん。スイーツのクオリティもさることながら、コーヒー好きにとってはスペシャルティコーヒーも見逃せません。

美術館の帰りに寄ってみた

この日川名に来た目的は桑山美術館を訪れることでした。実は美術館に向かう途中、最初に店の前を通りかかった時は外に列ができていたのですが、帰り際にもう一度通ると空席もありました。人気のお店ですが、タイミングが良かったようです。

前述のようにスイーツが人気のようですが、やはりコーヒーが気になってしまいます。

クリップボードに挟まれたメニューの向こうにはコーヒー豆の説明が並んでいます。
メニューには「ドリップコーヒー」とだけ書いてありますが、その向こうにはコーヒーの説明が並んでいます。フレーバーも丁寧に説明されていて、好みの味を選べます。

しばらく迷ってしまいましたが、結局最近お気に入りのアチオピアのナチュラルを選ぶことに。お伴には、名前も見た目もインパクトがある「金柑とチョコレートのエクレア」を選びました。

2つ並んだドリップスケールに載せられたドリッパーに交互にお湯を注いでいます。
注文を聞いてから1杯分のコーヒー豆を挽き、丁寧にハンドドリップします。コーヒー専門店の基本ですね。

店内はオフホワイトとライトウッドが基調で、ガラス張りの前面から陽が入り、明るく落ち着く雰囲気です。耳に障らないヒーリング系の音楽も心地よいです。

しばらくすると丁寧に淹れられたコーヒーとエクレアが運ばれてきました。そのお味は… ちょうどいい感じの温度で丁寧に淹れられたエチオピアのナチュラルには、柑橘系のフルーティーさと微かな甘みも感じる、優しい味わいです。

テーブルにはコーヒーとエクレアが置かれ、その向こうのテーブルではテイクアウトを待つお客さんがいます。
美術館の帰りだからでしょうか、スタイリッシュな店内なのに、持ち手がない白磁のカップには和のテイストを感じてしまいます。

金柑とチョコレートのエクレアは、その見た目の印象よりも甘さが控えめで、いい感じです。金柑の程良い酸味とエチオピアのフルーティーさの相性も良いですね。

香りが絶妙で、冷めても美味しく飲めるので、豆の鮮度がいいんだろうな、と思って聞いてみると、やはり自家焙煎とのこと。スイーツ目当のお客さんも多いようですが、このコーヒーのクオリティも注目に値します。

店内にはテイクアウトのお客さんが待つテーブルと、コーヒー豆やドリッパーなどが並べられた棚があります。
スイーツをテイクアウトするお客さんも多く、店内で待つためのテーブルもあります。棚に置かれた、購入できるコーヒー豆やドリッパーを眺めながら待つお客さんもいました。

余談ですが、店内でコーヒーを飲む人も、テイクアウトする人も、私以外全員女性でした。スイーツの魅力はもちろん、haru.さんのコーヒーは基本的に中煎りで、深煎りのような苦味がないことも、女性に人気の理由かもしれません(もちろん苦いコーヒーが好きな女性もいますが)。

久々に訪れた自家焙煎のお店でしたので、自宅用のコーヒー豆を買って帰りました。おうちカフェの様子は次章で。

基本情報

愛知県名古屋市昭和区広路通8丁目13 グレース川名1B

12:00~17:00 定休日:火曜日+不定休
最新情報はお店のウェブサイトでご確認ください

haru. Coffee % Cakesの外観

おうちカフェしてみた

お持ち帰りしたコーヒー豆はコスタリカのLaPira Typica Honey。中煎りで、精製方法は聞き慣れない「Honey process」とのこと。

「コーヒー豆」はコーヒーチェリーの種子ですが、これを精製する際、果肉を付けたまま乾燥させるのがナチュラル製法。果肉を取り除いて、種子の周りのヌメヌメ(ミュシレージと呼びます)が付いた状態で乾燥させるのはパルプトナチュラルと呼ばれます。これらの方法で精製された豆にはコーヒーチェリーの香りが残りフルーティーな味わいになりますが、このパルプトナチュラルがコスタリカでは「ハニープロセス」と呼ばれるとのこと。ミュシレージはコスタリカでははちみつを意味する「ミエル」と呼ぶのがその由来とのことです。

haru.で買ってきたコーヒー豆の袋と、取り出したコーヒー豆
パッケージの反対側には焙煎日も記載されています。大事です。

パッケージに書かれた焙煎日を見ると、まだ1週間も経っていません。飲み頃ですね。今回はこれをカリタウェーブで淹れてみました。

尚、コーヒー豆の鮮度は通常焙煎日を基準に考えます。コーヒー豆の賞味期限については以前「おうち“MUJI”カフェ:ダーク&スイーツ編」で説明していますので、興味のある方は読んでみてください。

ペーパーフィルターに入れた挽きたてのコーヒー豆にお湯を注いでいます。
鮮度がいいコーヒー豆にお湯を少し注いで蒸らすとプクーっと膨らんで、そこにお湯を注ぐとプクプクプクと泡が立ってきます。鮮度が落ちると、焙煎時に生成された二酸化炭素が香りとともに逃げていき、こんな風にはなりません。

お供に選んだのは、帰り道にアスナル金山のbaguette rabbitさんで買ってきた「クランベリーとオレンジのライ」です。選んだコスタリカには香ばしさとオレンジのような風味がある、とのことですので、似た者同士のパンとペアリングしてみました。

クランベリーとオレンジのライ麦パン
見た目は固そうですが、加水を増やして以前よりしっとりした仕上げになっているとのこと。おススメの通り、軽くトーストしていただきました。

この組み合わせ、期待に応えてくれました。甘味より爽やかな酸味を感じるクランベリーやオレンジと、ハニープロセスのフルーティーさは、お互いを引き立てる感じで、相性がいいです。

コーヒーも、みんなちがって、みんないい。

haru.さんのように個性的なコーヒーを提供してくれるお店は、コーヒーの楽しみ方を広げてくれる、有難い存在です。

参考文献

これらの本にはいつもお世話になっています。

最新版 珈琲完全バイブル

コーヒー豆の収穫と精製や、コーヒーの抽出方法からフードペアリングまで、コーヒーを楽しむことのすべてを丁寧に解説しています。フードペアリングの説明も充実していて、上述の「ハニープロセス」についても触れています。

監修者

丸山健太郎

発行者

田村正隆

発行所

株式会社ナツメ社

発行日

初版発行:2021年6月2日

定価

1,760円 (税込み、2023年3月時点)

コーヒー「こつ」の科学

コーヒーの生豆を焙煎して起こる科学反応と焙煎豆の鮮度など、「こつ」と呼ばれるコーヒーのすべてを科学的に解説。コーヒー豆の鮮度の説明も丁寧です。

コーヒー「こつ」の科学

コーヒーを正しく知るために

著者

石脇智広

発行者

石丸兼一

発行所

株式会社柴田書店

発行日

初版発行:2008年9月10日
10刷発行:2019年7月10日

定価

1,980円 (税込、2023年3月時点)

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