base lab.さんは名称を「Alison Cafe」に変更して営業しています。

栄の街を見下ろす絶好の場所にあるカフェに行ってきました。base lab.さん。米国発の、様々な受賞歴がある焙煎豆を使用した個性的なコーヒーを楽しめます。カフェを楽しんだ後はコーヒー豆を買って、早速自宅で淹れてみました。

名古屋テレビ塔に行ってみた

地デジ化に伴いテレビ塔としての役目を終えた「名古屋テレビ塔」は全体改修工事を経て、2020年9月に商業施設を備えたランドマークに生まれ変わりました。base lab.さんはリニューアルに合わせてオープンしたそうです。

久屋大通公園から池超しに見上げた名古屋テレビ塔
久屋大通公園から見上げた名古屋テレビ塔。base lab.さんはこの3階にあります。

塔1階の入口から入ると真新しい建物にしか見えませんが、中には1954年開業の跡が散見されます。それはbase lab.さんの店内にも見られました。

base lab.の店内。手前に客席、奥にエスプレッソマシンが鎮座したカウンターがあり、天井には古い建物の構造物が見えます。
base lab.さんの店内は落ち着いた色調でスタイリッシュにまとまっていますが、天井の構造には昭和の建物の名残りが見えます。左奥に進むと展望台に上がるエレベーターがあります。

base lab.さんの特筆すべき特徴のひとつは、窓からの眺めですね。上の写真では久屋大通公園から見上げましたが、店内からは、もっと広い範囲を見下ろせます。

base lab.の窓からの眺め
大きな窓から外を見ると正面に久屋大通公園、左にはオアシス21と、その向こうには愛知県美術館が見えます。

もう一つの特徴は、もちろんコーヒーです。base lab.さんではアメリカで特別な方法で焙煎されたコーヒー豆、klatch coffeeを使用しています。私は先日、このklatch coffeeのコーヒーを試飲する機会に恵まれました。そこでklatch coffeeが飲めるカフェが名古屋テレビ塔にあることを知り、今回はそれを目当てに来店しました。

この日は、klatch coffeeの特徴のひとつであるフルーティーさが味わえる「Bleakfast Blend」をアメリカーノでいただきました。

base lab.の窓際のカウンター席で久屋大通公園とオアシス21を眺めながら、コーヒーをいただきました。
同じ豆で淹れたアメリカーノのホットとアイスを飲み比べました。お供はアイスクリームが載った「黒蜜きな粉のクロッフル」です。

ホットとアイスを飲み比べましたが、特徴的なフルーティーさをそのまま味わえたのはホットです。豆の説明にある「Floral Apple Pear」な香りがよく分かります。今回はアイスクリームに黒蜜も添えた「甘いスイーツ」と合わせましたが、このさっぱりした味わいはフルーツ系のさっぱりしたスイーツとも相性がいいかもしれません。

アイスではフルーティーさがホットほど前面には出ませんでしたが、アイスなのにガムシロップを加えなくても嫌な苦みを感じないのは、そもそも優しい味のコーヒー豆だからでしょう。この、そのままでさっぱりしたアイスコーヒーは、暑い日にそれだけを楽しんでもいいかもしれません。

base lab.の窓際をカウンター席の並びにはテーブル席もあります。
窓際のテーブル席のベンチの表面は畳のような素材で、グループで外の景色を眺めながら寛ぐのにちょうど良さそうです。

景色とコーヒーもさることながら、気さくなスタッフさんの対応にも感心しました。コーヒーの説明も丁寧で、初対面の私に親切に接していただけました。このカフェで寛げるのは、お店の造りのお陰だけではないようです。

base lab.のカウンター席の奥、厨房の入口の横にはお札が綺麗に置かれています。
スタイリッシュな店内に溶け込んでいるのは、お洒落に置かれた神社のお札です。こんなところにも日本人の心意気を感じます。

お話を伺うと、ここではアメリカーノでいただきましたが、ハンドドリップでもコーヒー豆の良さが上手く引き出せるとのこと。では、実際に確かめようと、お店でいただいたものと同じBreakfast Blendの豆を買って帰りました。

基本情報

愛知県名古屋市中区錦3-15-13 名古屋テレビ塔 3F

10:00~21:00
最新情報はお店のウェブサイトでご確認ください

nagoya-tv-tower.co.jp/floor/f3

(中部電力MIRAI TOWER)

klatchroaster.jp

(klatch coffee)

base lab. 名古屋テレビ塔店の入口

早速おうちカフェしてみた

klatch coffeeの、特にBreakfast Blendのような優しいフルーティーなコーヒーは、コーヒーに苦味を求める人には物足りなく感じられるかもしれません。しかし私は、他の多くのコーヒー好きがそうであるように、様々な個性を持ったコーヒーの中からその時の気分やお供の食べ物に合わせてコーヒーを選ぶのが好きです。

klatch coffeeのBreakfast Blendのパッケージと、コーヒー豆
Medium RoastのBreakfast Blendは、その色と香りから、焙煎具合が「苦いコーヒー」よりも随分浅めであることが分かります。

そんな選択肢の一つに加えられるBreakfast Blendを、そのフルーティーさを活かして淹れて、相性の良さそうな食べ物と合わせてみることにしました。選んだドリッパーはCoresのゴールドメッシュフィルターです。はい、私は自宅に何種類かのコーヒードリッパーを揃えています。興味がある方は「コーヒーを淹れてみた」も見てみてください。

Coresの金属メッシュフィルター。メッシュの穴は縦型スリットタイプです。
メッシュフィルターはペーパーフィルターと違いコーヒー豆に含まれる油分も抽出され、特にスペシャルティコーヒーのような個性の強い豆の良さを引き出します。

そのお味は、面白いほど狙った味を引き出せました!実は果汁入り?と思うほどにフルーティーさを前面に感じられ、アメリカーノよりも心地よい酸味がうまく出ています。

コーヒー豆は「豆」と呼ばれますが、実はコーヒーチェリーという果実の種子です。収穫後の精製方法や焙煎方法、また淹れ方で「果実感」が出る味わいになるのです。コーヒー豆に含まれる苦味成分と酸味成分は抽出速度に差があり、酸味は早く、苦みはゆっくり抽出されます。Coresのメッシュフィルターは湯の抜けが極めて速く、苦み成分より酸味成分がよく抽出され、油分も加わり、さっぱりした味に仕上がります。

合わせたのは、以前紹介したBAKERY京都桂別邸さんで買ってきた「抹茶クリームクロワッサン」です。この抹茶クリームクロワッサンは、抹茶の風味を活かすためでしょうか、見た目よりも(?)甘さ控えめです。そこにブラッドオレンジのマーマレードがほのかな甘味と酸味のアクセントを加えます。

アカシアプレートに抹茶クリームクロワッサンを載せ、常滑焼のカップにBreakfast Blendの入れていただきました。
カップは以前紹介した常滑屋さんで買ってきたもの、プレートは「おうち“MUJI”カフェ:ダーク&スイーツ編」でも登場した無印良品のアカシアプレートです。

このさっぱり系のパンが濃厚系スイーツよりも合うのでは、という私の期待にBreakfast Blendは応えてくれました。お互いの良さを引き立て合い、相性がいいですね。もちろん、その名の通り、朝食にも合うでしょう。

コーヒーも、みんなちがって、みんないい。個性的なコーヒーを楽しむのはいいですね。

参考文献

今回の「おうちカフェ」では以下の本を参考にしました。

最新版 珈琲完全バイブル

コーヒー豆の知識から、コーヒーの淹れ方や楽しみ方まで、最新情報を踏まえ紹介しています。コーヒーと食材を組み合わせるフードペアリングや、coresゴールドフィルターの開発秘話まで紹介しています。

監修者

丸山健太郎

発行者

田村正隆

発行所

株式会社ナツメ社

発行日

初版発行:2021年6月2日

定価

1,760円 (税込み、2023年3月時点)

コーヒー「こつ」の科学

コーヒー豆の基礎知識や、コーヒー豆に含まれる成分とその抽出速度などの「科学的」説明から、コーヒーの楽しむコツを様々な角度から説明します。もちろん、文系の人でも無理なく読める内容です。

コーヒー「こつ」の科学

コーヒーを正しく知るために

著者

石脇智広

発行者

石丸兼一

発行所

株式会社柴田書店

発行日

初版発行:2008年9月10日
10刷発行:2019年7月10日

定価

1,980円 (税込、2023年3月時点)

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