Q.O.L. COFFEEさんで買ってきた浅煎りのゲイシャをおうちで淹れてみました。フルーティーな香りが特徴のゲイシャのお伴は、帰り道に栄で買ってきたフルーツ系のパウンドケーキです。

ゲイシャって、芸者?

いいえ、違います。

植物としてのコーヒーノキの種のうち、カフェなどで飲むコーヒーになる「アラビカ種」の起源はエチオピアで、そのエチオピアのGeshaという地域で自生していたアラビカ種の品種がゲイシャ (Geisha) です。

その後、ゲイシャという品種が原産地から持ち出されたのは1960年代と比較的遅く、中南米の国でも栽培されるようになりました。今ではパナマ産のゲイシャが有名です。

今回Q.O.L. COFFEEさんで買ったゲイシャは、その原産地であるGesha産です。

Q.O.L. COFFEEで買ってきたゲイシャ
ちょっと紛らわしのですが、産地はGesha Village、品種はGeishaです。

ゲイシャは、その特徴的なフルーティーな香りを味わうために浅煎りで飲むことが多いです。

生豆を焙煎すると、まず内部に含まれる水分が抜けることで収縮してシワが寄り、やがて1回目の膨張「1ハゼ」が始まります。この段階で煎り止めたのが浅煎りで、表面にはまだシワが残っています。

浅煎りのゲイシャ
この色と表面のシワが浅煎りの特徴。もちろん、香りも深煎りとは明らかに違います。

さらに焙煎を進めると2回目の膨張「2ハゼ」が始まり、豆はさらに膨張してシワも伸びます。多くの人が見慣れたコーヒー豆はこっちの方かもしれませんね。

お伴はフルーツのパウンドケーキ

以前はコーヒーと言えば、スイーツで甘くなった口を苦味でスッキリさせるもの、というイメージがありましたよね。つまり、甘さを苦味で打ち消す。でも最近は味の方向性を合わせて美味しさを増幅させるフードペアリングが人気です。

この日は天気も良かったので、Q.O.L. COFFEEさんを出てから久屋大通公園を通って栄に向かいました。目的地は、以前紹介したTHE KITCHEN WONDERLANDさんやエスプリ TO GOさんがあるマルエイガレリアです。

MWLLOWICHのパウンドケーキ
こちらがお目当ての、MELLOWICHのパウンドケーキ。オサレなパッケージですねぇ。基本的にギフト用のようですが、おひとりさまが自宅用に買ってしまいました。いいんですか?いいんです!(…よね?)

コーヒーからちょっと話が逸れますが、このMELLOWICHのパウンドケーキ、パッケージが可愛いですよね。小箱の向きを変えると「窓」から見えるイラストが変わるという遊び心もあります。

ゲイシャとこのパウンドケーキを合わせてみます。ドリッパーは、このブログで度々登場するKINTOを使いますが、2種類のフィルターを使い分けてみます。

KINTOのペーパー・メッシュ兼用ドリッパー
しばらく使っていると、いい雰囲気になってきました。器具のエイジングも楽しみのひとつ。

コーヒー好きならKINTOと言えばステンレスフィルターを思い起こす人が多いかもしれませんが、ペーパーフィルター用のドリッパーもあります。このドリッパー、実はステンレスフィルターを使うこともできます。

ペーパーフィルターで淹れてみる

まずはこのペーパー・ステンレス兼用ドリッパーとKINTO製ペーパーフィルターで淹れてみます。

KINTOのドリッパーにペーパーフィルターを嵌める
透過式のハンドドリップで一般的なペーパーフィルター。扱いの手軽さが利点です。

そのお味は、軽い口当たりで、苦味は極めてまろやかです。爽やかな酸味が口に広がり、フルーティーな後味が続きます。少し温度が下がると甘味も感じられるようになります。

お伴はフランボワーズのパウンドケーキです。キイチゴ、ですね。封を切ると懐かしい香りがフワッと漂います。

「懐かしい」って?県立高校にバス通学していた頃、気が向くと40分位かけて徒歩で帰宅していました。その道中、道端に自生していたキイチゴを摘まんで食べたのはいい想い出です。

一口食べると、口いっぱいにキイチゴの優しい酸味が広がり、やがてパウンドケーキの甘さと溶け合います。そこに口当たりの軽いゲイシャを含むと、さらにまろやかな味になって甘く溶け合います。

Q.O.L. COFFEEのゲイシャと、MELLOWICHのフランボワーズパウンドケーキ
カップは京都駅の土産物売り場で買ってきたもの(何焼きか存じませんが)。コースターは無印良品。その和の雰囲気とMUJIコースターの組み合わせがお気に入りです。背景は予告登板のアイビー。パソコン机から今だけ移動させました。

酸味と甘み、テッパンのペアリングですね。続いてステンレスフィルターで淹れてみます。

ステンレスフィルターで淹れてみる

KINTOのステンレスフィルターと言えば、以前紹介したThe Otherside Coffeeさんや子猿珈琲さんでも使っていたものです。このフィルター部分だけ取り出して、前述のドリッパーに嵌めることができます。

KINTOのドリッパーにメッシュフィルターを嵌める
このKINTOドリッパーには、同じKINTOのメッシュフィルターも載るようになっています。

そのお味は、ゲイシャ特有の、「フルーティー」の一言では表せない深くまろやかな香り。甘味も感じる優しい味わい。飲んだ後、口に残るのは爽やかな柑橘系の香り。そこに甘味の余韻が続きます。絶妙ですね。

ペアリングのお伴はストロベリーのパウンドケーキ。

MELLOWICHのラズベリーパウンドケーキ
こちらも、封を開けるとイチゴの香りがフワーッと広がります。コーヒーに合わせるには香りが強すぎるかな、とも思ったのですが…

このゲイシャの香り、ストロベリーの香りに負けないどころか、合うんです。酸味と甘みを備えたゲイシャと、ストロベリーのフルーツ感とケーキの甘さが合わさったパウンドケーキの相性が絶妙です。

Q.O.L. COFFEEで買ってきたゲイシャと、MWLLOWICHのパウンドケーキ
カップはネットで見つけて一目惚れして買ったもの。色味が合う紺のコースターと合わせるのが好きです。

方向性は似ているのですが、違う個性があり、張り合うことなく調和する。個性の違いのせいで、ゲイシャのフルーティーさが際立ちます。

このブログでは度々コーヒーとスイーツのペアリングを紹介していますが、このブログ史上最強の組み合わせでした。

ペーパーとステンレス、どっちがいい?

好みの違いですかね。ペーパーフィルターの方が後始末が楽、という「利点」もあります。それも確かですが、コーヒーを飲むことを楽しむのであれば、味わいの違いで選びたいです。

ペーパーとステンレスの違いは、もちろん材質の違いだけではなく、「漉し方」が全然違います。次の写真をみれば違いは一目瞭然でしょう。

KINTOのペーパーフィルター
KINTOのペーパーフィルターはコットンパルプとウッドパルプを原料にしていて、表面の質感も独特です。

パルプの繊維の隙間と、ステンレスの薄板に開けた穴では、漉されるものに違いが出て、これが味わいの違いになります。例えば、コーヒー豆に含まれる油分はペーパーフィルターは通りませんが、ステンレスフィルターは通ります。

KINTOのメッシュフィルター
金属を編んだメッシュよりも目が「粗い」ので、油分だけでなくコーヒー粉の細かいものも通ります。これはカップの底に沈めて飲まないようにします。

ペーパーとステンレスでは抽出速度も変わりますが、これはどちらも湯の注ぎ方で調整できます。

ステンレスフィルターの方が豆が持つ個性を出しやすいので、私は初めて買った豆を淹れる時は、まずステンレスフィルターを使うことが多いです。一方で、良い意味でクセのない味に仕上げたい時はペーパーフィルターも使います。好みの違いですね。

コーヒーとスイーツだけではなく、私は上の写真のようにカップとコースターの組み合わせを考えるのも好きです。コーヒーは、飲む時間も楽しみたいですから。

Q.O.L. COFFEEの基本情報

愛知県名古屋市中区丸の内3-5-1 マジマビル1・2階

月~金 07:45~17:30|土日祝 09:00~17:30
最新情報はお店のウェブサイトでご確認ください

Q.O.L. COFFEEの店内

MELLOWHICH名古屋栄店の基本情報

愛知県名古屋市中区栄3-3-1 マルエイガレリア1F

10:00~21:00
最新情報はお店のウェブサイトでご確認ください

mellowhich.jp (MELLO WHICH)

maruei-galleria.jp/shop (MARUEI Galleria)

MELLOWICH名古屋栄店

参考文献

今回もこれらの本を参照しました。お世話になります。

最新版 珈琲完全バイブル

コーヒーの淹れ方はもちろん、コーヒーの歴史やコーヒー豆の産地や品種など、コーヒーのすべてが分かります。フードペアリングにもページ数を割いています。

監修者

丸山健太郎

発行者

田村正隆

発行所

株式会社ナツメ社

発行日

初版発行:2021年6月2日

定価

1,760円 (税込み、2023年3月時点)

コーヒー「こつ」の科学

こつの「科学」と言っても、理系の人向けに書かれた本ではありません。理系科目に苦手な人も無理なく読める内容です。コーヒー豆を焙煎することにより起こる科学的変化や、コーヒー抽出の仕組みについても説明しています。

コーヒー「こつ」の科学

コーヒーを正しく知るために

著者

石脇智広

発行者

石丸兼一

発行所

株式会社柴田書店

発行日

初版発行:2008年9月10日
10刷発行:2019年7月10日

定価

1,980円 (税込、2023年3月時点)

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