Q.O.L. COFFEEさんで買ってきた浅煎りのゲイシャをおうちで淹れてみました。フルーティーな香りが特徴のゲイシャのお伴は、帰り道に栄で買ってきたフルーツ系のパウンドケーキです。
ゲイシャって、芸者?
いいえ、違います。
植物としてのコーヒーノキの種のうち、カフェなどで飲むコーヒーになる「アラビカ種」の起源はエチオピアで、そのエチオピアのGeshaという地域で自生していたアラビカ種の品種がゲイシャ (Geisha) です。
その後、ゲイシャという品種が原産地から持ち出されたのは1960年代と比較的遅く、中南米の国でも栽培されるようになりました。今ではパナマ産のゲイシャが有名です。
今回Q.O.L. COFFEEさんで買ったゲイシャは、その原産地であるGesha産です。
![Q.O.L. COFFEEで買ってきたゲイシャ](https://i0.wp.com/hiro-cafe-meguri.com/wp-content/uploads/2022/12/090_regular-L01.jpg?resize=820%2C512&ssl=1)
ゲイシャは、その特徴的なフルーティーな香りを味わうために浅煎りで飲むことが多いです。
生豆を焙煎すると、まず内部に含まれる水分が抜けることで収縮してシワが寄り、やがて1回目の膨張「1ハゼ」が始まります。この段階で煎り止めたのが浅煎りで、表面にはまだシワが残っています。
![浅煎りのゲイシャ](https://i0.wp.com/hiro-cafe-meguri.com/wp-content/uploads/2022/12/089_regular-P06.jpg?resize=384%2C512&ssl=1)
さらに焙煎を進めると2回目の膨張「2ハゼ」が始まり、豆はさらに膨張してシワも伸びます。多くの人が見慣れたコーヒー豆はこっちの方かもしれませんね。
お伴はフルーツのパウンドケーキ
以前はコーヒーと言えば、スイーツで甘くなった口を苦味でスッキリさせるもの、というイメージがありましたよね。つまり、甘さを苦味で打ち消す。でも最近は味の方向性を合わせて美味しさを増幅させるフードペアリングが人気です。
この日は天気も良かったので、Q.O.L. COFFEEさんを出てから久屋大通公園を通って栄に向かいました。目的地は、以前紹介したTHE KITCHEN WONDERLANDさんやエスプリ TO GOさんがあるマルエイガレリアです。
![MWLLOWICHのパウンドケーキ](https://i0.wp.com/hiro-cafe-meguri.com/wp-content/uploads/2022/12/089_regular-L03a.jpg?resize=820%2C512&ssl=1)
コーヒーからちょっと話が逸れますが、このMELLOWICHのパウンドケーキ、パッケージが可愛いですよね。小箱の向きを変えると「窓」から見えるイラストが変わるという遊び心もあります。
ゲイシャとこのパウンドケーキを合わせてみます。ドリッパーは、このブログで度々登場するKINTOを使いますが、2種類のフィルターを使い分けてみます。
![KINTOのペーパー・メッシュ兼用ドリッパー](https://i0.wp.com/hiro-cafe-meguri.com/wp-content/uploads/2023/04/090_regular-L03.jpg?resize=820%2C512&ssl=1)
コーヒー好きならKINTOと言えばステンレスフィルターを思い起こす人が多いかもしれませんが、ペーパーフィルター用のドリッパーもあります。このドリッパー、実はステンレスフィルターを使うこともできます。
ペーパーフィルターで淹れてみる
まずはこのペーパー・ステンレス兼用ドリッパーとKINTO製ペーパーフィルターで淹れてみます。
![KINTOのドリッパーにペーパーフィルターを嵌める](https://i0.wp.com/hiro-cafe-meguri.com/wp-content/uploads/2023/04/090_regular-L04.jpg?resize=820%2C512&ssl=1)
そのお味は、軽い口当たりで、苦味は極めてまろやかです。爽やかな酸味が口に広がり、フルーティーな後味が続きます。少し温度が下がると甘味も感じられるようになります。
お伴はフランボワーズのパウンドケーキです。キイチゴ、ですね。封を切ると懐かしい香りがフワッと漂います。
![](https://i0.wp.com/hiro-cafe-meguri.com/wp-content/uploads/2022/12/090_regular-P01.jpg?resize=384%2C512&ssl=1)
一口食べると、口いっぱいにキイチゴの優しい酸味が広がり、やがてパウンドケーキの甘さと溶け合います。そこに口当たりの軽いゲイシャを含むと、さらにまろやかな味になって甘く溶け合います。
![Q.O.L. COFFEEのゲイシャと、MELLOWICHのフランボワーズパウンドケーキ](https://i0.wp.com/hiro-cafe-meguri.com/wp-content/uploads/2022/12/090_regular-L02.jpg?resize=820%2C512&ssl=1)
酸味と甘み、テッパンのペアリングですね。続いてステンレスフィルターで淹れてみます。
ステンレスフィルターで淹れてみる
KINTOのステンレスフィルターと言えば、以前紹介したThe Otherside Coffeeさんや子猿珈琲さんでも使っていたものです。このフィルター部分だけ取り出して、前述のドリッパーに嵌めることができます。
![KINTOのドリッパーにメッシュフィルターを嵌める](https://i0.wp.com/hiro-cafe-meguri.com/wp-content/uploads/2023/04/090_regular-L05.jpg?resize=820%2C512&ssl=1)
そのお味は、ゲイシャ特有の、「フルーティー」の一言では表せない深くまろやかな香り。甘味も感じる優しい味わい。飲んだ後、口に残るのは爽やかな柑橘系の香り。そこに甘味の余韻が続きます。絶妙ですね。
ペアリングのお伴はストロベリーのパウンドケーキ。
![MELLOWICHのラズベリーパウンドケーキ](https://i0.wp.com/hiro-cafe-meguri.com/wp-content/uploads/2022/12/089_regular-P07.jpg?resize=384%2C512&ssl=1)
このゲイシャの香り、ストロベリーの香りに負けないどころか、合うんです。酸味と甘みを備えたゲイシャと、ストロベリーのフルーツ感とケーキの甘さが合わさったパウンドケーキの相性が絶妙です。
![Q.O.L. COFFEEで買ってきたゲイシャと、MWLLOWICHのパウンドケーキ](https://i0.wp.com/hiro-cafe-meguri.com/wp-content/uploads/2022/12/089_regular-L04.jpg?resize=820%2C512&ssl=1)
方向性は似ているのですが、違う個性があり、張り合うことなく調和する。個性の違いのせいで、ゲイシャのフルーティーさが際立ちます。
このブログでは度々コーヒーとスイーツのペアリングを紹介していますが、このブログ史上最強の組み合わせでした。
ペーパーとステンレス、どっちがいい?
好みの違いですかね。ペーパーフィルターの方が後始末が楽、という「利点」もあります。それも確かですが、コーヒーを飲むことを楽しむのであれば、味わいの違いで選びたいです。
ペーパーとステンレスの違いは、もちろん材質の違いだけではなく、「漉し方」が全然違います。次の写真をみれば違いは一目瞭然でしょう。
![KINTOのペーパーフィルター](https://i0.wp.com/hiro-cafe-meguri.com/wp-content/uploads/2022/12/090_regular-L06.jpg?resize=820%2C512&ssl=1)
パルプの繊維の隙間と、ステンレスの薄板に開けた穴では、漉されるものに違いが出て、これが味わいの違いになります。例えば、コーヒー豆に含まれる油分はペーパーフィルターは通りませんが、ステンレスフィルターは通ります。
![KINTOのメッシュフィルター](https://i0.wp.com/hiro-cafe-meguri.com/wp-content/uploads/2022/12/090_regular-L07.jpg?resize=820%2C512&ssl=1)
ペーパーとステンレスでは抽出速度も変わりますが、これはどちらも湯の注ぎ方で調整できます。
ステンレスフィルターの方が豆が持つ個性を出しやすいので、私は初めて買った豆を淹れる時は、まずステンレスフィルターを使うことが多いです。一方で、良い意味でクセのない味に仕上げたい時はペーパーフィルターも使います。好みの違いですね。
コーヒーとスイーツだけではなく、私は上の写真のようにカップとコースターの組み合わせを考えるのも好きです。コーヒーは、飲む時間も楽しみたいですから。
Q.O.L. COFFEEの基本情報
愛知県名古屋市中区丸の内3-5-1 マジマビル1・2階
月~金 07:45~17:30|土日祝 09:00~17:30
最新情報はお店のウェブサイトでご確認ください
![Q.O.L. COFFEEの店内](https://i0.wp.com/hiro-cafe-meguri.com/wp-content/uploads/2022/12/089_regular-W01.jpg?resize=554%2C312&ssl=1)
MELLOWHICH名古屋栄店の基本情報
愛知県名古屋市中区栄3-3-1 マルエイガレリア1F
10:00~21:00
最新情報はお店のウェブサイトでご確認ください
mellowhich.jp (MELLO WHICH)
maruei-galleria.jp/shop (MARUEI Galleria)
![MELLOWICH名古屋栄店](https://i0.wp.com/hiro-cafe-meguri.com/wp-content/uploads/2022/12/089_regular-W02.jpg?resize=554%2C312&ssl=1)
参考文献
今回もこれらの本を参照しました。お世話になります。
最新版 珈琲完全バイブル
コーヒーの淹れ方はもちろん、コーヒーの歴史やコーヒー豆の産地や品種など、コーヒーのすべてが分かります。フードペアリングにもページ数を割いています。
コーヒー「こつ」の科学
こつの「科学」と言っても、理系の人向けに書かれた本ではありません。理系科目に苦手な人も無理なく読める内容です。コーヒー豆を焙煎することにより起こる科学的変化や、コーヒー抽出の仕組みについても説明しています。
コーヒーを正しく知るために
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