キタ(梅田)なのに垢抜けた一画、茶屋町で人気のカフェに行ってきました。Blue Bottle Coffeeさんの梅田茶屋町店。相変わらず街カフェのようなホスピタリティはもちろん、絶品のスコーンにも注目です。
夜の茶屋町を歩いてみた
大阪梅田、いわゆるキタと呼ばれる地区と言えば阪急東通商店街のように大阪臭がプンプンする通りをまず想像するかもしれません。同じ阪急大阪梅田駅から徒歩圏内でも、ちょっと方向を変えて進んだ茶屋町界隈は一変して垢抜けたエリアです。

久々に訪れた大阪でいろいろ周り、行ってみたかったBlue Bottle Coffeeさんに着いたのはちょっと遅い時間でした。この日は土曜日。いつもの梅田の騒がしさになっています。
でもBlue Bottle Coffeeさんに入ると少し落ち着きました。
注文は1階で、客席は2階。まず「RESERVED」の札で席を確保してから1階に戻って注文します。席を確保するために私物を置くことを強いられる大手シアトル系チェーン店よりも安心できます。

Blue Bottle Coffeeさんですから、注文する時に相談にのってもらえるのが嬉しいです。パウンドケーキやショートブレッドも好きな私が、この日何故か気になったのはスコーン。このスコーンに、エチオピアは合いますかね、なんて質問にも丁寧に答えていただけます。
エチオピア ウォッシュドと、スコーン
正しくはエチオピア・ゲデブ・メタド・バリティ・ウォッシュドです。エチオピアのフルーティーさを出すためにはナチュラルにすることが多いのですが、これは敢えてウォッシュドにして、でもフルーティーさが特徴とのこと。どんな味が期待してしまいます。
ウォッシュドとかナチュラルとか、コーヒー豆の精製方法については以前GLITCH COFFEEさんを紹介した時に説明していますので、気になる方は見てみてください。
スコーンにはクリームチーズとジャムを添えることにしました。スコーンを温めるのに少し時間がかかる、とのことでしたが、待ちますよ、スコーンのためなら。
温めてジャムを添えたスコーンと淹れたてのエチオピアを載せたトレイを持って2階に上がりますが、その間、香りのオンパレードが鼻腔を襲います。

気になるエチオピア、そのお味は。
ウォッシュドなのに、オレンジとライムを足して2で割ったようなシトラス感。苦味は極めて優しく、紅茶好きにも好まれそうな風味です。
そして、甘い香りを漂わせるスコーン。パカッと2つに割ると小麦の香りが立ちました。焼きたて?と思いましたが、つい先ほど温めてもらったものぢゃないですか!

チーズとジャムを載せて口に含むと、外はサックリ、中はスコーンらしからぬふんわり感。噛むほどに小麦の香りが口に広がります。チーズの味は主張しないけれども、全体の味に深みとコクが加わります。
ジャムの後味が残る中でエチオピアを飲むと、口の中でシトラスな味変が起こる。この組み合わせは、いいですね。

焼き立てのようなスコーン、気になったのでスタッフさんに尋ねてみました。毎朝お店で焼いて、味や食感を保つための保存方法にも工夫を重ねて今のスタイルに至ったそうです。なるほど、夜でも焼きたてのようなスコーンをいただけるのには、理由があったのですね。
自身もこのスコーンが好きだというスタッフさんと話をしながら、スコーンと言えば思い出す北浜のElmers Green Cafeさんの話をすると、時々行くとのことでした。スコーン好きは鼻が同じ方を向くのですね。
さて、このスコーン、朝いただくとどんなんでしょうか?
翌朝また来てみた
ということで、今回の大阪訪問は泊まりでしたので、翌朝スコーン目当てにまた来てしまいました。もちろん、コーヒーにも期待して。

日曜の朝8時台で、通りを歩く人はまばらでした。が、店内にはそこそこお客さんがいました。
以前紹介した京都駅前のOGAWA COFFEEさんは駅前で早朝から営業している「便利なカフェ」として利用するお客さんが多いように見受けられましたが、梅田駅周辺ならもっと近い所にも早くから開いているお店はあります。ここは、このお店を目当てに朝早くから来るお客さんが多いのかもしれません。

スコーンを注文することは決めていましたが、合わせるコーヒーは?
選択肢が多くないとは言え、相談にのってもらえるのがBlue Bottle Coffeeさんです。昨日いただいたのはエチオピアのウォッシュドでしたが、他にスコーンと合うのは? と聞いて勧めていただいたのは「スリー・アフリカズ」というブレンド。焙煎度が違うエチオピアを3種合わせたとのこと。
エチオピアの焙煎度違いと言えばこのブログでも過去に取り上げているので、興味がある方は見てみてください。
スコーンはその日に焼いたものですが、提供する前にはやはり温めるそうです。待ちますよ。

やはり香りのオンパレードに襲われながら、「RESERVED」の札を置いた2階の席に向かいます。スコーンの甘い香りが、もぉ。
スリー・アフリカズと、スコーン
先に、このお店を目当てに朝早くから来るお客さんが多いのかも、と書きましたが、やはり客席に「朝食を済ませる」感じの人は見られません。週末の朝から、丁寧に淹れられたコーヒーを優雅に。いいですね。インバウンド観光客らしきお客さんもいます。

スリー・アフリカズ、そのお味は。
まず一口、エチオピア特有の上品な香りに、どこかスパイシーな苦味もある、複雑な味わい。少し温度が下がると、ベリーのようなダークチェリーのような香りが顔を出し、赤ワインのようなボディ感も感じられるようになりました。焙煎度違いのエチオピアのブレンド、恐れ入りました。

そして、スコーン。割ると、昨晩感じた小麦の香りに加えて甘~い香りも立ちます。外のサックリ感は昨晩より軽やか。中は、ちょっと俗っぽい言い方になりますが、生食感。噛んでいると程良い甘味と小麦の香りが口に広がります。
スリー・アフリカズとスコーン、もちろん相性がいいです。

スリー・アフリカズはさらに温度が下がると苦味よりスパイシーさが前面に出て、紅茶のような風味も感じられるようになりました。最後まで美味しくいただきました。

今回もいろんなスタッフさんと話をさせていただきましたが、相変わらず皆さん気さくです。大手の繁盛店なのに、街カフェのような温かさ。
名古屋の店舗の開店が近づいてきましたが、ここ梅田茶屋町カフェからオープニングに加わるスタッフさんもいるそうです。今度は名古屋でお会いしましょう!
基本情報

茶屋町の由来
東京の三軒茶屋や大阪の天下茶屋など、各地に「茶屋」に由来する地名がありますが、枕に何も付かない「茶屋町」はどうでしょう。通りに設置されたプレートにはこう書かれています。
この町を縦断する旧池田街道筋に「鶴乃茶屋」、「車乃茶屋」、「萩乃茶屋」などの料理茶屋が賑わっていたことが、茶屋町の地名の由来ともなっています。

よく見ると歩道に置かれたプランターに植えられているのは菜の花です。
菜の花や 月は東に 日は西に
与謝野蕪村
同じプレートの前半の説明によると、この俳句はこの場所で詠まれたとのことです。この辺りは明治の初めころまでは春には菜の花が咲く野原だったそうです。プランターの菜の花はその時代を偲ばせるものでしょう。ここを訪れたのは3月上旬。ちょうどいい季節でした。

余談ですが、面白いと思ったのは料理茶屋が茶屋と呼ばれていたこと。そういえば今でも、カフェレストランをカフェと呼びますね。
お後がよろしいようで。
合わせて見たい:Blue Bottle Coffeeめぐり
どの店舗でもスタッフさんは知識豊富で気さく。すっかりBlue Bottle Coffeeさんのファンになった私はいろんな店舗を巡っています。
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Blue Bottle Coffee 京都木屋町カフェ
高瀬川沿いで歴史的近代建造物の中にある人気のカフェ。相変わらず繁盛している大手のお店なのに接客が丁寧で、コーヒー好きの心をくすぐられます。
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Blue Bottle Coffee 神戸カフェ
旧居留地でアメリカ発祥のコーヒーを楽しむお店。繁盛店なのに仕事が丁寧で、コーヒー好きの心をくすぐります。コーヒー豆や器具も販売しています。
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