大阪城下で、街カフェの良さが分かる自家焙煎のお店に行ってきました。Hue Coffee Roasterさん。実は歴史的に見て面白い場所にあります。
大坂城下町で
この日は大阪歴史博物館を訪れる予定でしたが、最寄りの谷町四丁目駅で降りた後にちょっと遠回りして気になるカフェに行くことにしました。近年の歴史では、この辺りは大坂城(大阪城)三之丸辺りでしょうか。大坂の陣の前は惣構えの内側だったでしょう。

観光地としての大阪城へは大阪城ホールに近い大阪城公園駅や、カフェもある噴水広場に近い森ノ宮駅など、東側からの方がアクセスが良いでしょう。反対側は?なんて考えながら向かいました。

こじんまりとしたお店に入るとスタッフさんが温かく迎え入れていださいます。街カフェの良さですね。本来はスマホから注文することになりますが、この時は幸か不幸かAndroid版がうまく動作しなかったのでスタッフさんにいろいろたずねながら注文できました。気になるのは自家焙煎の豆です。

スイーツにコーヒーを合わせるか、コーヒーにスイーツを合わせるか、なんて定番の会話をしながら、まず選んだのはベイクドチーズケーキ。
チーズケーキに合わせるのは、コクか、酸味か、なんて会話も楽しみながら、合わせたのは深煎りのブラジル「Deep Aqua」です。

来店したのは昼前でしたが、席はかなり埋まっていました。近所の方でしょうか、常連らしき人もいます。窓に近い席で待っていると、注文の品が運ばれてきました。

深煎りのブラジル「Deep Aqua」とベイクドチーズケーキ
まずはDeep Aqua。サンプルの香りを嗅いだ時は深煎りの香りに少し酸味を感じましたが、実際に飲んでみるとナッツのような香りです。深煎りだけど苦味はスッキリしていて、上品。

続いてベイクドチーズケーキ。ちゃんとチーズの香りがして、程良い甘さ。濃厚だけどまったりし過ぎず、なんか変な言い方ですが、焼き菓子のような風味です。

濃厚チーズケーキにコクの深煎り、と言えば王道のペアリングですが、思いの外に軽やかな風味のチーズケーキに、スッキリした苦味の深煎りもいい組み合わせですね。

路地の街カフェに来るのは久しぶりでしたが、やはりいいものですね。堪能しました。
この後予定通り大阪歴史博物館に行きました。いい機会ですので、次章ではこの場所をちょっと違う視点から見てみます。
基本情報:Hue Coffee Roaster

難波に宮殿があった頃
遷都と聞いて思うのは、奈良の平城京から京都の平安京に都が移された歴史の一大イベントではないでしょうか。実はそれ以前にも遷都は度々行われていいました。例えば以前白鳥庭園の茶寮 汐入を紹介した時、縁がある場所として紹介した奈良の日代宮は倭建命の父で第12代天皇の景行天皇が政務を行った場所で、後に平城京となる場所から離れた纒向にありました。
今でいう大阪(近年までは「大坂」と呼ばれていた)にも飛鳥・奈良時代には難波宮がありました。
Hue Coffee Roasterさんを後にした私が向かった大阪歴史博物館は、かつて難波宮があった場所にあり、宮廷の儀式が行われた大極殿の跡を見下ろす場所にあります。

大阪と言えば豊臣秀吉以降の歴史が注目されがちですが、それ以前に政治の中心となっていた時代が長くあった、ということです(難波時代とは呼ばれなかったようですが…)。この辺りには大和朝廷系の前方後円墳が多くあることからも分かるでしょう。

現在難波宮跡として整備された緑地は十分広いのですが、これでも当時の難波宮の一部です。大阪歴史博物館の展示を見ると当時の難波宮の規模が分かります。
よく見ると、今Hue Coffee Roasterさんがある場所は難波宮の敷地内でした。下の写真は大阪歴史博物館にあるパネルで、Hue Coffee Roasterさんの場所を加筆しています。「波」の字の上にあるのが大極殿跡です。この南側には南北に通じる難波京朱雀大路がありました。
古代には天皇が政務を行っていた場所で、今はコーヒーを飲むって、考えたら面白くないですか!?
余談になりますが、大阪歴史博物館では古代から近代までの大阪の歴史資料が展示され、中には江戸時代の船場の街並みを再現したジオラマもあります。その中には御菓子処も。

江戸時代のパティスリー、ですかね。
基本情報:大阪歴史博物館

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