大阪城下で、街カフェの良さが分かる自家焙煎のお店に行ってきました。Hue Coffee Roasterさん。実は歴史的に見て面白い場所にあります。

大坂城下町で

この日は大阪歴史博物館を訪れる予定でしたが、最寄りの谷町四丁目駅で降りた後にちょっと遠回りして気になるカフェに行くことにしました。近年の歴史では、この辺りは大坂城(大阪城)三之丸辺りでしょうか。大坂の陣の前は惣構えの内側だったでしょう。

Hue Coffee Roasterがある路地
谷町四丁目駅から南向きにちょっと歩いた路地にHue Coffee Roasterさんはありますが、ここは歴史的にちょっと面白い場所でもあります。

観光地としての大阪城へは大阪城ホールに近い大阪城公園駅や、カフェもある噴水広場に近い森ノ宮駅など、東側からの方がアクセスが良いでしょう。反対側は?なんて考えながら向かいました。

Hue Coffee Roasterの店頭
事情により時差投稿になってしまいましたが、来店したのは3月上旬。店頭で鉢植えの梅が出迎えてくれました。

こじんまりとしたお店に入るとスタッフさんが温かく迎え入れていださいます。街カフェの良さですね。本来はスマホから注文することになりますが、この時は幸か不幸かAndroid版がうまく動作しなかったのでスタッフさんにいろいろたずねながら注文できました。気になるのは自家焙煎の豆です。

Hue Coffee Roasterで使われているDIECRICH製焙煎機
業務用としては小ぶりのこの焙煎機では1kgの豆を焙煎できるそうです。

スイーツにコーヒーを合わせるか、コーヒーにスイーツを合わせるか、なんて定番の会話をしながら、まず選んだのはベイクドチーズケーキ。

チーズケーキに合わせるのは、コクか、酸味か、なんて会話も楽しみながら、合わせたのは深煎りのブラジル「Deep Aqua」です。

Hue Coffee Roaster店内の棚に置かれたコーヒー豆
焙煎機の近くに置かれた棚にはコーヒー豆のサンプルがあり、香りを確かめることもできます。店内で見られる塊根植物がこんな所にもあります。

来店したのは昼前でしたが、席はかなり埋まっていました。近所の方でしょうか、常連らしき人もいます。窓に近い席で待っていると、注文の品が運ばれてきました。

Hue Coffee Roasterの深煎りのブラジル「Deep Aqua」と、ベイクドチーズケーキ
お客さんが多かったので客席の写真撮影は控えましたが、実は店内の至る所にエキゾチックな植物たちがいます。

深煎りのブラジル「Deep Aqua」とベイクドチーズケーキ

まずはDeep Aqua。サンプルの香りを嗅いだ時は深煎りの香りに少し酸味を感じましたが、実際に飲んでみるとナッツのような香りです。深煎りだけど苦味はスッキリしていて、上品。

Hue Coffee Roasterの深煎りのブラジル「Deep Aqua」と、テイスティングカード
サンプルの豆がある棚に置かれていたものと同じテイスティングカードには精製方法や焙煎度などの情報の他、産地の標高も書かれています。コーヒーは昼夜の寒暖差が大きい高地で栽培されることが多いです。

続いてベイクドチーズケーキ。ちゃんとチーズの香りがして、程良い甘さ。濃厚だけどまったりし過ぎず、なんか変な言い方ですが、焼き菓子のような風味です。

Hue Coffee Roasterのベイクドチーズケーキ
きれいな焼き色が付いた王道のベイクドチーズケーキですね。

濃厚チーズケーキにコクの深煎り、と言えば王道のペアリングですが、思いの外に軽やかな風味のチーズケーキに、スッキリした苦味の深煎りもいい組み合わせですね。

Hue Coffee Roasterの窓際のカウンター席
奥のカウンター席にはスタッフさんと会話する常連さんらしき人もいましたが、こちらはパソコンでも使いながら静かにコーヒーを楽しみたい人に向いていそうです。

路地の街カフェに来るのは久しぶりでしたが、やはりいいものですね。堪能しました。

この後予定通り大阪歴史博物館に行きました。いい機会ですので、次章ではこの場所をちょっと違う視点から見てみます。

基本情報:Hue Coffee Roaster

大阪府大阪市中央区谷町4-3-7

8:00〜19:00 月曜定休
最新情報はお店のインスタでご確認ください

Hue Coffee Roaster

難波なにわに宮殿があった頃

遷都と聞いて思うのは、奈良の平城京から京都の平安京に都が移された歴史の一大イベントではないでしょうか。実はそれ以前にも遷都は度々行われていいました。例えば以前白鳥庭園の茶寮 汐入を紹介した時、縁がある場所として紹介した奈良の日代宮ひしろのみや倭建命やまとたけるのみことの父で第12代天皇の景行天皇が政務を行った場所で、後に平城京となる場所から離れた纒向まきむくにありました。

今でいう大阪(近年までは「大坂」と呼ばれていた)にも飛鳥・奈良時代には難波宮なにわのみやがありました。

Hue Coffee Roasterさんを後にした私が向かった大阪歴史博物館は、かつて難波宮があった場所にあり、宮廷の儀式が行われた大極殿の跡を見下ろす場所にあります。

大阪歴史博物館に再現された大極殿
この博物館の目玉展示と言えば、10階に再現された大極殿の一部でしょう。宮廷に仕える人々も再現されています。

大阪と言えば豊臣秀吉以降の歴史が注目されがちですが、それ以前に政治の中心となっていた時代が長くあった、ということです(難波時代とは呼ばれなかったようですが…)。この辺りには大和朝廷系の前方後円墳が多くあることからも分かるでしょう。

大阪歴史博物館から見下ろした難波宮跡
こちらがその難波宮跡。左側にある石段は大極殿跡。土地開発されずに残った貴重な場所です。

現在難波宮跡として整備された緑地は十分広いのですが、これでも当時の難波宮の一部です。大阪歴史博物館の展示を見ると当時の難波宮の規模が分かります。

よく見ると、今Hue Coffee Roasterさんがある場所は難波宮の敷地内でした。下の写真は大阪歴史博物館にあるパネルで、Hue Coffee Roasterさんの場所を加筆しています。「波」の字の上にあるのが大極殿跡です。この南側には南北に通じる難波京なにわきょう朱雀大路すざくおおじがありました。

  • 空から見た難波京、大阪歴史博物館にて
  • 空から見た難波京、大阪歴史博物館にて(加筆あり)

古代には天皇が政務を行っていた場所で、今はコーヒーを飲むって、考えたら面白くないですか!?

余談になりますが、大阪歴史博物館では古代から近代までの大阪の歴史資料が展示され、中には江戸時代の船場の街並みを再現したジオラマもあります。その中には御菓子処も。

大阪歴史博物館に再現された江戸時代の船場の街並み
こちらは幕末の心斎橋筋沿いにあった蒸菓子屋を再現したところ。

江戸時代のパティスリー、ですかね。

基本情報:大阪歴史博物館

大阪府大阪市中央区大手前4-1-32

9:30~17:00 火曜定休
最新情報は公式ウェブサイトでご確認ください

公式ウェブサイトでご確認ください

大阪歴史博物館

いいね、シェアする!