音楽と食のイベントに音楽目当てで参加したら、本格的なコーヒーのお店と出会ってしまいました。「huu わたしのわがし」さん。和と洋を組み合わせたフードペアリングをプロデュースするコーヒースタンドです。

東別院音食Marketに行ってきた

音食Marketは毎月12日に東別院で開催される音楽と食のイベントです。応援するシンガーソングライターさんたちが出演するこのイベント、今回は土曜日開催となり、初めて参加しました。

そこで目に入ったのは「珈琲と和菓子」と書かれた小旗。コーヒー好きの鼻が疼きます。

東別院音食Marketで、ステージを背景にしたhuuわたしのわがし
イベントでよく見かけるフードトラックとはちょっと違う雰囲気に何かを期待してしまいます。後ろでは地元のアーティストさんが音楽を届けています。

ちょっと中を覗くと、V60ドリッパーとコーヒーミルが。声をかけると、実際挽きたて淹れたてのコーヒーをいただけるとのこと。コーヒー豆の説明もしっかりしています。

何か気になったウォッシュドのグアテマラを頼むことにしました。

huuわたしのわがし、フードトラック内でハンドドリップ
きれいに整えるだけでも大変そうな軽トラックの中で、小物のディスプレイも粋にまとめて、店主の気持ちがよく表れています。

よくあるフードトラックとは真逆のミニマリスト的な装飾の中で「珈琲と和菓子」と掲げるくらいなので、その和菓子も注文することにしました。こちらも何か気になった「ラムレーズン大福」を選ぶと、これ、一押しだそうです。

「huu わたしのわがし」の和菓子3種
左からラムレーズン大福、キャラメル餅、塩大福。「映え」を狙っていないことからも、味で勝負?と期待してしまいます。

近くの丸椅子に腰かけていただいたコーヒーのお味は、トロピカルなようでレモンのように爽やかなフルーティーさがある、優しい味。苦味よりも、心地よい酸味が前面に出てきます。紅茶好きにも好まれそうなコーヒー、ですが、これはコーヒーにしかない味です。

お伴に選んだラムレーズン大福は、確かに上品な甘さの大福なのですが、どこか洋菓子のような香り。ラムレーズンの味は前面に出ないのですが、それがなければ洋の風味は出ない。絶妙な和洋折衷です。

これが、浅煎りのグアテマラと合うんです。「気になって」選んだだけなのですが。

「huu わたしのわがし」のラムレーズン大福と、紙カップに入ったコーヒー
屋外でライブを楽しみながら、折り畳みのテーブルと丸椅子でクオリティの高いコーヒーと和菓子をいただく、奇妙な体験をしております。

この、優しい味のコーヒーと上品な和洋折衷の和菓子との組み合わせは偶然じゃないはず、と思って訊ねると、実際フードペアリングを意識して提供しているとのこと。そうですよねぇ、相性が絶妙過ぎます。街カフェでもここまでペアリングを楽しませてくれるお店は滅多にありません。

せっかくなので和菓子を一つテイクアウトすることにしましたが、ちょうど浅煎りの豆を切らしていることを告げると、深煎りにも合うキャラメル餅を薦めていただけました。

オシャレに展示された「huu わたしのわがし」のキャラメル餅
ここでは和菓子に合う浅煎りと中煎りのコーヒーを提供しているのですが、このキャラメル餅なら深煎りにも合うと。ペアリングまでアドバイスをいただける「珈琲と和菓子」のお店は、大変貴重です。

コーヒーと和菓子を堪能して、コーヒー談義も楽しませていただいた後は、音楽ライブもしっかり満喫してきました。「音食」Marketですから。

大阪を中心に活動するシンガーソングライター平野里沙さん
シンガーソングライターの平野里沙さんはカフェめぐりが好きですが、子供舌の持ち主で苦いコーヒーは飲めず、いつもラテを選ぶとのこと。でも、huuさんの優しい味のコーヒーはおススメです。

テイクアウトしたキャラメル餅をおうちでいただいた様子は次章で紹介します。最後にカフェめぐり好きの平野里沙さんも紹介しますね。このイベントに来るきっかけを作ってくれました。

基本情報

「huu わたしのわがし」さんは車1台で営業し、イベントなどに出店しています。詳しくはInstagramで発信しています。

huu わたしのわがし、東別院音食Marketにて

おうちに帰って、合わせてみた

普段は浅煎り、中煎り、深煎りの豆を揃え、気分で選んだコーヒーを楽しんでいますが、この日はたまたま浅煎りを切らしていたんです。テイクアウトしたキャラメル餅に合わせた深煎り豆は、以前紹介した「猿田彦珈琲 名古屋則武新町店」さんで最近買ってきたハロウィーンブレンドです。

猿田彦珈琲のハロウィーンブレンド
パッケージのインパクトが強烈ですが、それに負けない個性を秘めたコーヒーです。huuさんの雰囲気と真逆ですが、さてそのペアリングは如何に。

すでに何度も淹れていて、メッシュフィルターで豆の個性を楽しんだり、ペーパーフィルターでコクを楽しんだりしています。今回はペーパーフィルターを選びました。ドリッパーは、最近はメッシュフィルターとの組み合わせで登場することが多いKINTOです。

金属っぽい外観のKINTO製コーヒードリッパー
メッシュフィルターもペーパーフィルターも使えるKINTOのドリッパーで、今回はペーパーを使いました。ゆっくり抽出して深い味を狙います。

このハロウィーンブレンドはアナエロビック製法で熟成させた豆をブレンドしていて、独特な風味があります。心地よいほろ苦さに、どこかスパイシーさがある個性的な後味が続きます。ゆっくり抽出してコクを狙っても、その苦味にはまったく嫌味がありません。

合わせたキャラメル餅は、包みを指で持ち上げるだけでモチッとした感触が伝わってきます。

「huu わたしのわがし」のキャラメル餅
この素朴さがいいですね。3層に分かれているのが分かりますか?これを上から剥がして1枚ずつ口に運びます。

そのお味は、モチッとした食感も、上品な甘さも日本の「餅」なのですが、ここにも洋の風味が。名前に「キャラメル」を冠しますが、「あ、キャラメルね」なんて単純な味ではありません。個性を秘めた、繊細な和洋折衷です。

ハロウィーンブレンドとの相性は期待以上でした。

「huu わたしのわがし」のキャラメル餅と、猿田彦珈琲のハロウィーンブレンド
和菓子と合わせるために、コーヒーを和の器でいただきました。名古屋で年2回のイベント「クリエイターズマーケット」で買ってきた器です。和の雰囲気のコースターは無印良品製で、洋食器にも合います。

深煎りと合う、とは言え、ただ苦いだけの深煎りコーヒーなら役不足だったかもしれません、この個性的な和菓子とは。個性と個性がぶつからずに高め合う、絶妙なペアリングを楽しみました。

huuさんとはまたどこかのイベントで再会して、またペアリングを楽しませていただけたら、と思います。

最後に、今回東別院音食Marketに来るきっかけを作ってくれた平野里沙さんを紹介します。

合わせて見たい:猿田彦珈琲 名古屋則武新町店

猿田彦珈琲 名古屋則武新町店

猿田彦珈琲 名古屋則武新町店

ショッピングモールでは期待できないクオリティの高いコーヒーを提供するお店を、イオンモールNagoya Noritake Gardenで見つけました。

特別出演:平野里沙

前述の平野里沙さんは生まれも育ちも大阪ですが名古屋も大好きで、私もよくライブを見に行きます。私はインスタグラムで里沙さんも「#カフェめぐり」もフォローしていますが、どっち?と思うほど、里沙さんはカフェめぐりの写真も投稿しています。

大阪を中心に活動するシンガーソングライター、平野里沙
名古屋をテーマにした「ホーム」という曲を名古屋のライブ限定で歌うほど、名古屋が好きな平野里沙さん。

音食Marketにはたくさんのアーティストさんが出演していましたが、個人的には一番のカフェ好きではないかと思っています。今回は里沙さんのお陰でhuuさんと巡り合いました。感謝の気持ちも込めて、ここで紹介します。

新世界 Short version

通天閣界隈のテーマ曲ではありません。新しい世界へ挑む里沙さんの決意の歌です。

Challenge to the limit

里沙さんのMVの中で一番好きです。曲はもちろん、動画としてのクオリティも高く、かつて住んでいた大阪の風景も懐かしいです。

いいね、シェアする!