名古屋で社交の場を作るSOCIAL TOWER MARKET。今回はその名古屋城版、SOCIAL CASTLE MARKETに行ってきました。様々なジャンルのグッズや飲食のお店が集まる中で、縁があって訪れた7つのコーヒー屋さんを紹介します。馴染みのお店、久々の再会に、新しい出会いもありました。
残暑の名古屋城に行ってきた
猛暑酷暑も彼岸まで、なんて冗談も言っていられないですよね、ここ数年。10月に入ってもまだ暑い日が続く中、普段は名古屋テレビ塔の麓で行われるイベントが活動の場を広げる特別回のひとつ、名古屋城に行ってきました。
随分前に紹介した二之丸茶亭は名古屋城の文字通り二之丸にありますし、隣の名城公園にはDEAN & DELUCAさんの名城公園店があります。

城郭内の5つのエリアにお洒落雑貨や飲食など様々なブースが出ますが、中でも東門エリア、御深井丸エリア、練堀エリアの3つのエリアで訪れたコーヒー屋さんを紹介します。
イベント基本情報
愛知県名古屋市中区本丸1-1
2024年10月5日(土)・6日(日)
10:00~16:30
名古屋城の観覧料は公式サイトでご確認ください
(SOCIAL TOWER MARKET)
(特別史跡 名古屋城)

hikure.
東門から入ってすぐの東門エリアにはカフェやパティスリーがずらっと並んでいます。その中でまず伺ったのは豊川から出店のhikure.さん。
尚、城郭の構造としてはこの東門エリア、広場エリア、練塀エリアはすべて「二之丸」に含まれます。かつて織田信秀が今川氏から奪った那古野城があったのはこの辺りとされます。

どんなコーヒーを選べますか、と聞く私にスタッフさんは丁寧に豆の説明をしてくださいました。そこで私の目が釘付けになったのはパッケージに貼られたCOE、Cup of Excellenceのステッカーです。ペルー産のゲイシャの浅煎り。これを選ぶことにしました。
COEは世界に数あるコーヒー品評会の中でも信頼度が高いとされ、このブログでも則武の猿田彦珈琲さんで買ってきた浅煎りのエチオピアや、栄のBASE COFFEEさんで買った中煎りのエチオピアなどを紹介しています。

注文を聞いてから1杯分のコーヒー豆を挽くのですが、屋外のブースでも、ミルから漏れる鮮烈な香りが漂ってきます。
カップを受け取り、ブースを数歩離れてから一口飲んで「うわ!」と声をあげてしまいました、ホントに。フローラルさよりもレモンのような爽やかなフルーティーさが超絶です。ブースに戻って真顔で「これ、めっちゃ美味しいです!」と伝えてしまいました。

これ、コーヒーの奥深さを知らずに「こだわりのコーヒー」とか薄っぺらなことを言う人に飲んでほしいです。きっとコーヒーの概念が変わりますよ。
基本情報:hikure.

+Ordinary
続いて同じ東門エリアで訪れたのは、コーヒーの他にもいろいろ並んでいるブース。店舗を持たずイベントなどに出店している+Ordinaryさんです。
「ここに来る前にペルーのゲイシャをいただきました」と伝えると、「ウチのは真逆ですよ」とのこと。深煎りのブレンドです。

聞けば、ウガンダ産のロブスタ種のブレンドとのこと。ロブスタは缶コーヒーやインスタントコーヒーの原料として知られていますが、ちゃんと美味しくいただけるものも流通しています。
ロブスタについては以前チムニー珈琲焙煎所さんの紹介の中で「アラビカとロブスタ、種と品種」を説明していますので、興味のある方は見てみてください。

そのお味は、まず深煎りの苦味がガツンと来るけど、嫌味がない。どこか心地よい渋味もある。深煎りのアラビカの香りやコクと違う、独特の風味があります。いろんな焼き菓子と合わせたくなる味、と言って通じますかね。

気になったアイリッシュコーヒーも特徴的でおススメとのことですが、まだ2件目で、午前中。他のイベントで遅い時間に訪れる機会があれば、その時はアイリッシュコーヒーをいただきたいです。
基本情報:+Ordinary
+ordinaryさんはイベントなどに出店しています。詳しくはInstagramで発信しています。

パーラーイモム
東門エリアでもう1件訪れたのは、ミニマリスト的な看板がクールな、焼き菓子とコーヒー パーラーイモムさん。
イモム、ってどこかで聞いた、と思ったら随分前に訪れた長久手のSIENA COFFEE FACTORYさんの現在の名称が「IMOM COFFEE ROASTERS」です。店内で存在感を放つ大型の焙煎機が印象的なお店で、その姉妹店ですね。

焼き菓子もすごく気になりましたが、ここではコーヒーを1杯だけいただくことにしました。それぞれの種類を丁寧に説明していただき、選んだのはアナエロビックのエルサルバドル。アナエロにはスパイシーな香りがするものもありますが、これはちょっと違いそうです。
アナエロビックについては以前名駅のGLITCH COFFEE @ 9hさんを紹介した時に「アナエロとか、浸漬式とかって、何?」を説明していますので、気になる方は見てみてくださいな。

そのお味は、林檎のような、レモンのような、爽やかなフルーティーさ。豆を挽いた時点で爽やかな香りがしていましたが、期待通りの風味です。少し温度が下がると甘い香りもしてきました。
「アナエロビック」と言っても、その風味は多種多様。定義が広いせいもあるかもしれませんが、その奥深さにはいつも驚かされます。

この後西之丸に向かってゆっくり歩きながらいただきましたが、その間にもカップの中で起こる味変を楽しみました。あんずのような濃ゆい系のフルーティーさが顔を出し、小声で「うわー」と言ってしまいました。
基本情報:パーラーイモム
愛知県名古屋市中区錦2-5-30 1F
10:00~19:00
最新情報はお店のインスタでご確認ください

合わせて見たい:SIENA COFFEE FACTORY
SIENA COFFEE FACTORY
(現IMOM COFFEE ROASTERS)
BARBARA COFFEE ROASTERS
金の鯱が光る天守閣(多くの人が「お城」とか「名古屋城」と呼ぶのは、この天守閣ですね)を擁する本丸を横目に西に進み、西之丸にある正門エリアを通って御深井丸まで行くと、その名も御深井丸エリアがあります。尚、この御深井丸には清州越の際に清州城の天守閣を移築した西北隅櫓があります。
ここで訪れたのは、同じ週末に「常滑焼まつり」が開催されている常滑からやってきたBARBARA COFFEE ROASTERSさん。

先客がいないタイミングで訪れたので、常滑で自家焙煎していることや、生豆をブランデーや赤ワインに漬け込んでから焙煎した豆のことなど、いろいろお話を聞くことができました。
選んだのはその、赤ワインコーヒー。ベースはコロンビアです。ホットでいただくことにしました。

そのお味は、単純に「赤ワイン味のコーヒー」じゃない、複雑で面白い風味。そもそも味に深みがあるコロンビアにワインの奥深さが加わった、と察します。深煎りの苦味があるのに、赤ワインというよりザクロに近いフルーティーな香り。心地よい渋味もある。

この後紹介する巧Coffeeさんやhuuさんは店舗を持たず、それぞれ個性的なキッチンカーで営業しています。一方BARBARAさんは店舗で営業しながら、これまた個性的なキッチンカーもある。コーヒーの業態はホントに色々ありますね。そんな方々と会えるのもイベントのいいところです。
基本情報:BARBARA COFFEE ROASTERS
愛知県常滑市栄町6-208 白熊ビルヂング内1F
11:00〜17:00
最新情報はお店のウェブサイトでご確認ください

巧Coffee
御深井丸から、天守閣や本丸御殿がある本丸を抜けて二之丸に戻り、名城公園(かつての下御深井)に面する外堀沿いに進むと「南蛮たたき鉄砲狭間」と呼ばれる練塀沿いに設けた練塀エリアに着きます。
ここではキッチンカー仲間のhuuさんと巧Coffeeさんが並んでいました。背後には二之丸庭園の権現山が見えます。

オアシス21のSOCIAL TOWER MARKET以来約半年ぶりの来店でしたが、すぐ気づいていただけました。さて、何を注文しましょうか。ここまで城郭内をぐるっと回って色々個性的なコーヒーを飲んできたことを伝えると、勧めていただいたのは逆に王道のエチオピア イルガチェフ。好きなんですよ、これ。

そのお味は、ほっとしますね(味の説明になっていない…)。いや、個性的なコーヒーを続けて楽しんだ後に浅煎りの王道をいただくと、なんかほっとするんです。スッキリした風味に仄かなフルーティーさ。苦味はほとんどない。コーヒーは苦いから苦手、と思い込んでいる人に飲んでほしいです。きっと目が覚めますから。

「取材が大変ですね」なんて声をかけていただきましたが、むしろ楽しんでますよ!そもそも「取材」という自覚はなく、ただお喋りしながら趣味の写真を撮らせていただいているだけですから。それが好きだから、イベントって楽しいです。
基本情報:巧coffee
巧Coffeeさんは焙煎業の傍ら、キッチンカーで営業しています。出店情報はInstagramで発信しています。

合わせて見たい:とよたまちおとフェス2023
巧Coffeeさんは「巧Coffee @ とよたまちおとフェス2023」で紹介しています。
huu
お次は隣で営業中の、すっかり馴染みになった「珈琲と和菓子」のhuuさん。巧Coffeeさんのイルガチェフをいただきなかがらお話を伺いました。新作の大福があるそうですね。
コーヒーは中煎りのオリジナルブレンド。ブラジル・エチオピア・グァテマラとのこと。コーヒーと和菓子のペアリングを創作するhuuさんですからね、期待してしまいます。

このオリジナルブレンドに、新作の「黒糖デーツ大福」を合わせることにしました。
まずは、それぞれの豆のいいとこどりのオリジナルブレンド。全体的にスッキリしていて、極めて優しい苦味。練塀越しの外堀を眺めながらゆっくりいただき、少し温度が下がると仄かな甘味を感じるようになりました。

続いて、黒糖デーツ大福。
口に入れようとすると、まずモチモチっとした優美な食感が上下の歯に伝わります。さらに噛み進めて口に広がるのは、大福the和菓子なのにどこかエキゾチックな風味。「あぁ、デーツの大福ね」なんて単純な味じゃないのがhuu流。隠し味に黒胡椒を使っていることは事前に知っていましたが、それを忘れさせるほど、それぞれの素材の味が渾然一体となって作り出される深い味。流石です。

そ・し・て、その黒糖デーツ大福とオリジナルブレンドの相性が絶妙なんですよ。この大福には、お茶よりもこのオリジナルブレンドの方が合います。
古典落語「まんじゅうこわい」のオチが
「お前は本当は何が怖いんだ?」
「huuのオリジナルブレンドが怖い」
だったとしてもお後がよろしくなる、と言ったら通じますでしょうか?
基本情報:huu
「huu わたしのわがし」さんは車1台で営業し、イベントなどに出店しています。詳しくはInstagramで発信しています。

合わせて見たい
前述のように「珈琲と和菓子」のhuuさんはこのカフェブログと、姉妹ブログのスイーツ編でも紹介しています。
こちらは姉妹ブログ「SweetsオトコのCafeめぐり」からの紹介です。
ギャラリー喫茶「追憶」 TSUI-OKU
練塀エリアから二之丸茶亭を横目に南下し、再び東門エリアに戻って訪れたのは、ギャラリー喫茶「追憶」さん。オアシス21で行われたSOCIAL TOWER MARKET以来約半年ぶり二度目の再会でしたが、すぐに気付いていただけて嬉しかったです。

巧Coffeeさんの浅煎り、huuさんの中煎りに続いて追憶さんでいただいたのは、ブルンジの深煎り。ブルンジは、小国でありながらアフリカのコーヒー大国であるルワンダの隣に位置する、コーヒー新興国ですね。
注文を聞いてから自家焙煎の豆を1杯分挽きます。

そのお味は、さすが、深煎りをネルドリップしたのに、苦味がすっきり。「したのに」って、深煎りをネルドリップと言えばよくある純喫茶で出る、砂糖を入れることが前提の苦い飲み物を想像してしまいますが、これが驚くほどスッキリしています。後味の苦味も心地いい。

かつてデザイナーを目指していた私はアートにも興味がありますので、今度はギャラリーにあるお店に伺いたいです。
基本情報:ギャラリー喫茶「追憶」
愛知県名古屋市中区金山3-11-18
15:00~19:00 不定休
最新情報はお店のインスタでご確認ください

Instagramから
この記事はちょっと時間をかけて執筆しましたが、イベントの直後にはインスタから一報を入れていました。ここではお見せしていない写真もご覧ください。
以前ハチカフェさんの鶴舞店で一度だけお会いしたBohemeさんとも再会を果たしました。今度はお店に行きますね。
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