博物館/美術館めぐりと抹茶も好きな私のような人には最高の場所に行ってきました。古川美術館の分館、爲三郎記念館内の数寄屋 de Cafe。文化財と美術品を愛で、お抹茶を頂ける贅沢な場所です。
爲三郎記念館に行ってみた
地下鉄東山線の池下駅で降り、「本館」の古川美術館より先に分館 爲三郎記念館を目指しました。東改札口を出て北側に向かうと、あれ、ヘンな所に来ちゃった、という感じのビルの裏手に着きますが、そのまま進むと趣のある生垣の小径があります。その左側に見えるのが爲三郎記念館の庭園です。

門をくぐると、そこは名古屋の市街地の中にある別世界。爲三郎記念館は、元は事業家であり美術品の蒐集家でもあった古川爲三郎氏の邸宅で、没後に記念館として開館したそうです。これが個人の邸宅だったなんて、凄過ぎます。

数寄屋 de Cafeは爲三郎記念館に中にありますので、まず入口で入館券を買います。この入館券は古川美術館と爲三郎記念館の2館共通ですので、すでに古川美術館で入館券を買っていればそのまま入れます。
この母屋「爲春亭 (いしゅんてい)」は国の登録有形文化財とのこと。美術館であり、またその建物自体に価値があります。写真撮影はできませんので、どんな所か、是非実際に訪れてみてください。

先ほどは「数寄屋 de Cafeは爲三郎記念館に中にある」と書きましたが、実は爲春亭の中のに「数寄屋 de Cafe」というお店があるわけではなく、正しくは「呈茶席」となります。それ自体が文化財である館内の複数の部屋にはテーブルが置かれ、その上に呼び鈴とメニューがあります。好きな席を選び、呼び鈴を押すとスタッフの方が注文を伺いに来てくれます。
まずゆっくりと館内をめぐり、気に入った場所や、好みの工芸作品が置かれた部屋で席に着くのもいいでしょう。

私は庭園を眺められる窓際の席で、季節の和菓子とお抹茶をいただきました。どんな抹茶茶碗が出てくるかは、お楽しみとのこと。美術館で、工芸品としての茶器でお抹茶をおいただけるのは、以前紹介した愛知陶磁美術館の陶翠庵と似た趣旨ですね。
私のところに運ばれてきたのは、三代寺田美山氏の瀬戸焼でした。氏の勅題茶碗25点のうち6点が爲三郎記念館にあり、そのうちの1つ… と受け売りしてしまいましたが、きっと貴重な茶碗、という意味でしょう。
数寄屋 de Cafeは、美術館めぐりが好きな人はもちろん、茶道には詳しくないけど、日ごろの喧騒を忘れて和の空気の中でくつろぎたい、そんな人にもおススメの場所です。また来ます。
基本情報

古川美術館と分館爲三郎記念館
古川美術館は、博物館/美術館めぐりが好きな私が気になっていた名古屋の美術館のひとつです。今回は、現在開催中の展覧会「印象派とエコール・ド・パリ」がテレビで紹介されているのを見て来館を決めました。

前述のように古川爲三郎氏は実業家であり、美術品の蒐集家でもありました。
愛知県名古屋市にある古川美術館は、初代館長 故古川爲三郎が長年にわたって収集し大切にしてきた美術品を、「私蔵することなく広く皆様に楽しんでいただきたい」という想いからその寄付を受け、平成3年11月に名古屋市千種区唯一の美術館として開館いたしました。
古川美術館 分館爲三郎記念館ウェブサイト「古川美術館について」(https://www.furukawa-museum.or.jp/about)

実業家とはさぞかし忙しい稼業かと思いきや、自然や、美術品、工芸品を楽しむ心のゆとりがあったと想像します。
私も普段は忙しいサラリーマン生活を送っていますが、時に美術館を訪れ、前述のように和の空間で工芸品に触れる、のんびりした時間はいいものです。街カフェを訪ねるカフェめぐりとは、また違った良さがあります。
古川美術館の基本情報

Instagramから
この日分館爲三郎記念館で撮影した写真はインスタグラムでも公開しています。
コメントを残す